【前回までの話】
19歳で予期せぬ妊娠をし、シングルで娘を育てると決めた私。
出産と子育てに向き合う日々の中で、“誰にも頼らない”と思っていたけれど──。
ある日、彼と出会い、少しずつ心が揺れ始めていった。
彼と出会ってから、私たち親子の世界は少しずつ変わっていった。
これまでは娘とふたり、当たり前のように過ごしてきた日々。
でも、彼がその輪の中に自然と入ってきてからは、
行けなかった場所、見せられなかった景色、「楽しい」が、すこしずつ叶えられていった。
娘は、彼のことが大好きだった。
名前を呼びながら、ぴったりとくっついて離れないくらい。
初めて歩いた日、彼は飛び上がるほど喜んでくれた。
その表情が、本当に自分の子どもを見ているようで、私は嬉しくて、どこか安心したのを今でもはっきり覚えています。
“こういう時間がずっと続いたらいいな”
ふとそう思うことが増えていった。
だけど心の奥では、いつも悩んでいた。
「このままでいいのかな」
「娘のために、ちゃんと形にするべきなのかな」
私は、結婚に対してずっと慎重だった。
というより、恐れていた。
結婚は、私にとっては人生最大のギャンブルのようなもの。
過去の経験も、不安も、自分の弱さも、すべて連れていくようなものだから。
そして何より、もう私はひとりじゃない。
娘がいる今、簡単に踏み出していいことじゃない。
たくさん悩んで、何度もひとりで考えて。
そんなある日、娘がポツリと言った。
「〇〇くんのこと、パパって呼んでもいーい?」
私はびっくりして、なんで?って聞き返した。
そしたら娘は、迷いなくこう言った。
「だって〇〇くんが、(娘の名前)のパパなんだもん」
その言葉を聞いた瞬間、胸がぎゅっとなった。
自分でも説明できない感情が溢れてきて、気づいたら涙が出ていた。
娘は、もう彼を“家族”だと思っていたんだ。
私より先に、ずっと素直に、まっすぐに。
すぐに彼に電話して、そのまま伝えた。
「娘がね、パパって呼びたいって言ったの」って。
彼はびっくりしながらもすごく嬉しそうで、
「パパって呼んでくれるの?ほんとに?」って笑ってた。
その声が、嬉しさと安心でいっぱいだったのを、今でもよく覚えてる。
私も思った。
あ、この人となら。
娘と私、ふたりじゃなく、3人で生きていけるかもしれないって。
プロポーズがあったわけじゃない。
でも、3人で自然と「家族になる」ってことを選んでいた気がする。
ただ、私は最後にひとつだけ見極めをしようと決めていた。
いくら彼が優しくても、いい部分だけを見て決めるのは違うと思ったから。
本当の姿を見てからじゃないと、娘を託すことなんてできなかった。
だから数ヶ月、3人で一緒に暮らしてみることにした。
ちょうど娘はイヤイヤ期。
毎日が嵐みたいな時期だったけど、彼は逃げなかった。
そのひとつひとつに対して、私と同じ目線で考えて、調べて、一緒に悩んでくれた。
私はその姿を見て、ようやく心の底から思えた。
この人なら、大丈夫だって。
娘が4歳になる少し前。
私は、結婚を決めた。
少しの怖さは、正直あった。
でも、それ以上に「信じてみたい」と思えた。
そして何より──娘が、嬉しそうだった。☺️
「娘が幸せであることが、私にとっていちばんの幸せ」
その想いは、あの日からずっと変わっていない。
これは、私が“1人で育てる”と決めた日から、家族になると決めるまでのお話。
きっと同じように悩んだり、迷ったりしてるママの心にも届きますように。
次回、「第4話:子連れ婚でよかったこと・大変だったこと」
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